「わんわん忠臣蔵」は、1963年に東映動画が制作した長編アニメ映画で、日本の伝統的な物語「忠臣蔵」を動物の視点で描いた作品です。
手塚治虫が原案を手掛け、宮崎駿もアニメーターとして関与したことでも知られています。
本記事では、映画のストーリーや楽曲、制作の背景などを詳しく解説します。
「わんわん忠臣蔵」とは?基本情報を紹介
まず、「わんわん忠臣蔵」の基本的な情報を整理しましょう。
項目 | 詳細 |
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タイトル | わんわん忠臣蔵 (英題: Doggie March) |
公開年 | 1963年12月21日 |
制作会社 | 東映動画(現:東映アニメーション) |
監督 | 白川大作 |
原案・構成 | 手塚治虫 |
脚本 | 飯島敬、白川大作 |
音楽 | 渡辺浦人 |
主題歌 | デューク・エイセス「わんわん行進曲(マーチ)」 |
上映時間 | 81分 |
言語 | 日本語 |
キャッチコピー:
「笑いが走る夢が飛ぶ! 大虎退治に飛び出した47匹のわんわん作戦!」
この作品は、時代劇の「忠臣蔵」と、巌谷小波の児童文学「こがね丸」のストーリーを組み合わせ、犬たちの忠義と勇気を描いたユニークなアニメ作品です。
「わんわん忠臣蔵」のストーリーを解説
「わんわん忠臣蔵」は、主人公の子犬 ロック が、母を殺された復讐を誓い、仲間とともに悪と戦う物語です。
物語の流れ
- 母犬シロの死とロックの決意
- 森の動物たちを守る母犬 シロ は、虎の キラー によって命を奪われる。
- シロの子 ロック は母の仇を討とうとするが、まだ幼く敵わない。
- 野良犬たちとの出会い
- 森の動物たちの助けで町へ逃げたロックは、野良犬のゴロ をはじめとする仲間と出会う。
- しかし、キラーの手下である狐の アカミミ の策略によって、濡れ衣を着せられ、ロックは海に捨てられてしまう。
- 成長したロックの帰還
- 流れ着いた島で少女に助けられたロックは、成犬へと成長 する。
- 町へ戻り、かつての仲間である野良犬たちと再会し、キラーへの復讐を決意。
- 宿敵キラーとの最終決戦
- ロックは47匹の野良犬を率いて、雪の夜に動物園でキラーとの決戦に挑む。
- クライマックスでは、ローラーコースターの上でロックとキラーの壮絶なバトルが繰り広げられる。
- ついにロックはキラーを倒し、森の動物たちを救う。
この物語は、日本の「忠臣蔵」の要素を取り入れつつ、動物たちの視点で描かれている点が特徴です。
「わんわん忠臣蔵」の主題歌・挿入歌について
映画の魅力を引き立てるのが、デューク・エイセス が歌う 「わんわん行進曲(マーチ)」 です。
主題歌「わんわん行進曲(マーチ)」
- 作詞: 佐伯孝夫
- 作曲: 中村八大
- 歌: デューク・エイセス(ビクターレコード)
この曲は、犬たちの団結と勇気を象徴するような、元気なマーチ調の楽曲 で、作品の世界観にぴったりと合っています。
【参照】Youtubeで聞いてみる⇒ムービー&TV(Youtubeチャンネル)
挿入歌「わんわん子守唄」
- 作詞: 佐伯孝夫
- 作曲: 渡辺浦人
- 歌: 松尾和子
母犬シロを偲ぶような、切なく優しい歌となっており、ロックの成長と決意を描く上で重要な楽曲のひとつです。
宮崎駿と「わんわん忠臣蔵」の関係とは?
「わんわん忠臣蔵」は、後にスタジオジブリを設立する 宮崎駿 がアニメーターとして関わった作品です。
宮崎駿の関与
- 宮崎駿は 1963年に東映動画へ入社 し、この作品で 動画担当 を務めた。
- 直接的な作画ではなく、アニメーション制作の補助的な役割を担っていた。
- この作品を通じて、宮崎駿は 「動物の動きのリアルさ」や「時代劇の演出技法」 を学んだと言われている。
宮崎駿はその後、「未来少年コナン」や「風の谷のナウシカ」などの作品を手掛け、アニメ界の巨匠へと成長しました。「わんわん忠臣蔵」は、そんな宮崎駿のキャリアの出発点とも言える作品なのです。
わん忠臣蔵」の動画はどこで見られる?
DVD・配信情報
メディア | 情報 |
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DVD | 2016年11月9日に東映ビデオより発売 |
ネット配信 | 2024年2月にYouTube「東映シアターオンライン」で無料配信実施(期間限定) |
過去のテレビ放送
- 1964年: NET(現:テレビ朝日)で分割放送
- 1967年: 日本テレビ「日曜まんが劇場」で放送
- その後も 東映チャンネルなどで放送されることがある。
視聴したい方は、DVDをチェックするか、今後の配信情報を注目しましょう!
まとめ:「わんわん忠臣蔵」は隠れた名作!
「わんわん忠臣蔵」は、日本の伝統的な物語「忠臣蔵」を動物たちの視点で描いた感動的なアニメ映画 です。
記事のポイント
✅ 1963年公開の東映動画の長編アニメ作品
✅ 「忠臣蔵」の要素を犬たちの世界で再構築
✅ 手塚治虫が原案を担当し、宮崎駿がアニメーターとして関与
✅ デューク・エイセスが歌う「わんわん行進曲」が印象的
✅ クライマックスのローラーコースター上でのバトルが迫力満点
昭和のアニメながら、今見ても楽しめる要素が満載の「わんわん忠臣蔵」。興味がある方は、ぜひチェックしてみてください!